『自分でやった方が早い病』を読んだ
はじめに
たまたま見かけたブログ記事を読んで共感し、そこで紹介されていた本を読んだ。 liginc.co.jp
ここ数年はお客様企業にて常駐(現在はリモートワーク)し、その中でお客様・他社メンバーまぜこぜの1チームで活動している。
直近、リーダー格のお客様社員が体調を崩し数日間勤務できない状況があった。
実質No2ポジションだった自分が暫定リーダー的に振る舞う必要があったが、それがまた色々と苦労した。
自分しかできない業務(知識・スキル・権限などいろいろな理由)があったり、チーム内外の質問が自分に集約されたり、最近JOINしたメンバーのオンボーディングのフォローをしたり。
「俺がいないとだめだなあキミタチは」みたいな自尊心の高まりは感じたけど、チームとしては明らかに不健全だなと感じたのでなんとかしなきゃと思い、とりあえず書籍に頼ろうと思ったところでこの記事(本)に出会った。
読書メモ
現場の第一線で活躍してきた人が、いざ部下を持つような立場になったとき陥りがちな「自分でやったほうが早い病」について、
- その状態が続くと何が困るか/克服するとどんないいことがあるか
- なぜそんな状態になってしまうのか
- どうしたら克服できるか/再発しないようにできるか
を解説している本。
「どうしたら克服できるか」について、テクニック的な話というよりはメンタルの持ちようについての記載が多い。
テクニック面は同著者の↓の本に記載されているそうなので、こちらも読んでみたい。
目次は以下。
はじめに 「自分でやったほうが早い」という病の恐ろしさ 第1章 病が進行すると「孤独な成功者」になる 第2章 病を克服すると「幸せな成功者」になれる 第3章 病の根本にある「自分さえ良ければ」という考え方 第4章 「自分でやったほうが早い病」への処方箋 第5章 「自分でやったほうが早い病」が再発しないために おわりに 「自分でやったほうが早い」の正体は「自分でやったほうが遅い」
読みながらとったメモ
- キーワードは「利他主義」
- イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏の言葉:「人間には3つの幸せがある」
- してもらう幸せ
- 自分でできる幸せ
- してあげる幸せ(させていただく幸せ)
- 1,2は利己主義。3は利他主義。
- 誰かの力になる、誰かを助けてあげることで、相手以上に自分自身が幸福を得られるということ
- マネージャーは「してあげる幸せ」を知っている人。これは「自分でできる幸せ」よりも大きなものであると実感できるはず。
- 「任せる」のゴールは「任せたら自分は一切何もしなくていい」状態。
- この状態に至るには困難がたくさんあるはず。1度任せたから終わりということにはならない。
- 仕事をこなすことが目的ではなく、仕事を通じて部下の成長を促すのが目的になる。
- 人に動いてもらう・育てるというのは時間がかかるもの。中長期的な視点をもって取り組まなければならない。
- ディレクションだけ自分がやり、実作業を周りの人や部下に任せる、というのは「自分でやったほうが早い」状態
- 必要なのは責任も同時に渡すこと。
- この状態に至るには困難がたくさんあるはず。1度任せたから終わりということにはならない。
- 「任せる」ためには自分自身の人間的成長が不可欠。テクニックだけではダメ。
- 部下を変えるのではなく、自分が変わる。我慢ではない。
- 変わるためには師を得るのが良い。
- 周りにいなければ有名人・著名人でも良い。その人の考え方に共感できるかどうかが重要。
感想
「自分でやったほうが早い」は「利己主義」である
は衝撃だった。「みんなのために身を粉にして働いているんだ」と思っていたけど、その実は自分のためだったのか。確かにそうかもしれない。
チーム・組織のことを考えると全体のレベルアップを図るほうが良いし、結果的に自分が楽をしたり別のことにチャレンジしたりもできる。
また「任せるのは大変。長い道のりである」というのも、言われてみれば確かにそうだった。
よく、ちょっと任せてみてうまく行かないからあいつに任せるのはやめよう、みたいなことがあったりするけど、それはあまりにも短気だったようだ。
中長期的に人を育てる、という感覚で接する必要がある。
そのためには自分自身が変わる必要がある。変わろうとする必要がある。
先日、職場の方のツテで聞いた↓の話を思い出した。
speakerdeck.com
あとどうでもいいけど、「してあげる幸せ」という話は槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」を思い出した。